1. はじめに:知識を「実践」に変える、最後のステップへようこそこれまでの記事で、成果を出す営業資料の「構成」(第1弾)と「デザイン」(第2弾)について、その理論と原則を解説してきました。関連記事:営業資料の作り方①構成編関連記事:営業資料の作り方②デザイン編しかし、知識や原則を理解していても、いざゼロから資料を作り始めようとすると、「さて、何から手をつければ良いのだろう?」と手が止まってしまう方は少なくありません。本記事は、そんなあなたのための「実践編」です。営業資料の作成を、「リサーチ」から「完成」までの具体的な5つのステップに分解し、上から順にこなすだけで資料が完成するToDoリスト形式で、その全手順を解説します。この記事を最後まで読めば、もう資料作成の進め方で迷うことはありません。自己流から脱却し、誰でも・いつでも・効率的に成果の出る資料を作れる、再現性のあるプロセスを手に入れられるはずです。2. 営業資料作成の全体像(5ステップ)具体的なToDoリストに入る前に、まずは営業資料作成の「全体像」を掴みましょう。私たちが推奨するプロセスは、以下の5つのステップで構成されています。この図は、「リサーチ」から始まり「レビュー」で終わる、効率的で手戻りの少ない作成プロセスを示しています。特に重要なのは、本格的なデザインに着手する前に、構成とメッセージを完全に固める点です。(1) ステップ1:目的とターゲットを定義する(リサーチ)(2) ステップ2:ストーリーを組み立てる(構成)(3) ステップ3:各スライドごとのメッセージを言語化する(ライティング)(4) ステップ4:メッセージを視覚化する(デザイン)(5) ステップ5:客観的な視点で見直す(レビュー)次章では、この5つのステップを具体的な「ToDoリスト」に落とし込み、各ステップで「何を」「どのように」進めるべきかを詳しく解説していきます。3. 【ToDoリスト】営業資料作成・5つのステップいよいよ、ここからが本番です。前章でご紹介した5つのステップを、具体的なToDoリストに落とし込んで解説します。上から順にチェックを入れながら進めることで、手戻りや抜け漏れを防ぎ、誰でも質の高い営業資料を作成できます。① ステップ1:目的とターゲットを定義する(リサーチ)資料作成は、PowerPointを開く前に始まっています。まずは「誰に、何を伝え、どう動いてほしいのか」という設計図を固めましょう。資料作成は、PowerPointを開く前に始まっています。まずは「誰に、何を伝え、どう動いてほしいのか」という設計図を固めましょう。・☑ この資料で達成したい「ゴール」は何か?(目的の明確化) 例:次の商談のアポイント獲得、決裁者への説明機会の獲得など ・☑ 資料の読み手は誰か?その役職、立場、知識レベルは?(ターゲット設定) 例:マーケティング部門の部長クラス。ROIやKGIなど、事業成果に直結する指標に関心が高い。 ・☑ ターゲットが最も知りたいこと、悩んでいることは何か?(顧客理解) 例:現在の広告費用は高いが、質の低いリードしか集まらない。競合A社にシェアを奪われ始めている。 ・☑ 最終的に、ターゲットに取ってもらいたい行動は何か?(行動喚起) 例:担当者レベルでの無料トライアルの開始、または部長向けの詳細な費用対効果シミュレーションの依頼。② ステップ2:ストーリーを組み立てる(構成)リサーチで得た情報を元に、話の骨格となるストーリーを組み立てます。ここで全体の流れを固めることが、手戻りを防ぐ最大のポイントです。・☑ 第1弾の記事を参考に、9つの構成要素を書き出す。(※詳しい構成の考え方はこちらの記事へ)・☑ 各構成要素に、伝えるべきメッセージの要点を箇条書きで書き出す。・☑ 全体のストーリーを一度通して読み、論理的な矛盾や飛躍がないか確認する。③ ステップ3:各スライドごとのメッセージを言語化する(ライティング)構成という骨格に、メッセージという肉付けをしていくフェーズです。・☑ 構成案に基づき、各スライドの「タイトル(=最も伝えたいメッセージ)」を決定する。・☑ タイトルを補足する情報は、3つ程度の短い箇条書きでまとめる。・☑ 専門用語や社内用語は避け、中学生でも理解できる平易な言葉で書く。④ ステップ4:メッセージを視覚化する(デザイン)言語化されたメッセージを、デザインの力で、より伝わりやすく加工していきます。・☑ 第2弾の記事を参考に、デザインの3大原則(配色・フォント/余白・レイアウト/図解・グラフ)を適用する。(※デザインの基本原則はこちらの記事へ)・☑ 文字、図、グラフ以外の「余白」が十分に確保されているか確認する。・☑ 全スライドを通して、フォントの種類とサイズ、色の使い方が統一されているか確認する。⑤ ステップ5:客観的な視点で見直す(レビュー)完成した資料は、必ず自分以外の第三者の視点を入れて最終チェックを行いましょう。・☑ 完成した資料を一度紙に出す、またはPDFで表示し、時間を置いてから誤字脱字がないか確認する。・☑ プレゼンの本番を想定し、声に出して読みながら時間配分を計る。・☑ ターゲットの立場に近い同僚や上司に、顧客役としてレビューを依頼し、フィードバックをもらう。 4. 補足:このプロセスをチームで共有し、「仕組み化」するコツ最後に、これまで解説してきた作成プロセスを、あなた一人のスキルに留めず、チーム全体の資産に変えるためのコツを2つご紹介します。「脱・属人化」の仕組みを作ることで、チームの営業力は飛躍的に向上します① 「レビュー会」を定例化し、ナレッジを共有する資料が完成した後の「レビュー」を、1対1で完結させるのではなく、チームの定例会などの場で「レビュー会」として実施することをおすすめします。・良かった点(Good):受注に繋がった資料のどこが良かったのかを全員で分析し、成功の型を共有します。・改善点(More):失注した資料のどこに改善の余地があったかを議論し、チーム全体の学びとします。レビューをオープンな場で行うことで、個人の経験がチーム全体のナレッジへと昇華され、組織学習のサイクルが生まれます。② 「共有フォルダ」にテンプレートと成功事例を蓄積するチームの誰もがアクセスできる共有フォルダ(Googleドライブなど)を用意し、資料作成に関するあらゆる情報を一元管理しましょう。・構成テンプレート:「構成編」で解説した、基本となる9つの要素で構成されたテンプレート。・デザインフォーマット:「デザイン編」で解説した、配色やフォントのルールを適用した基本フォーマット。・成功事例集:実際に成果に繋がった営業資料を、「〇〇業界向け」「△△円の受注事例」といった形で整理して保存します。なぜ成功したかのポイントも一言書き添えておくと、さらに効果的です。この共有フォルダが、チームにとっての「生きた教科書」となり、新入社員の教育や、新たな資料作成時の強力な拠り所となります。【おわりに】第1弾の「構成」、第2弾の「デザイン」、そして今回の「作り方」と、3回にわたって営業資料作成のノウハウを解説してきました。今回のToDoリストを活用すれば、明日から誰でも、迷うことなく質の高い資料作成に着手できるはずです。しかし、このプロセスをチームに浸透させ、継続的に質の高い資料を生み出し続ける仕組みを自社だけで構築し、維持するのは容易ではありません。私たち”営業の伴走さん”は、過去の数々の失敗経験から生まれた「実行伴走型」の支援を得意としています。もし「このプロセスを自社流にアレンジしたい」「チームへの浸透を手伝ってほしい」と感じたら、まずは無料の壁打ち相談からお気軽にお声がけください。